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「美女と野獣・・・」
【レイプ 官能小説】

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「美女と野獣・・・」-29

その10


まさかと思いつつも頭のどこかで

イジメられてたのかもしれない・・・

またイジメられるのかもしれない・・・

そう思っていたのは事実だが、

忘れた頃にやって来る、とはまさにこの事。

平穏無事な日々を送り、

時間を増す毎にRとの距離が心なしか縮んできている様に感じ、

オレだけに見せるRの笑顔の頻度が徐々に増えてきた矢先の出来事だった。





体育の授業が終わり、男女各々が制服に着替え、

ワイワイガヤガヤと自分達の教室へ戻り、

束の間の休み時間を堪能している時にオレは気が付いた。

制服を着ているべくRが、体操着のままで教室内をウロウロしている事に。

なにやら何かを探しているらしい事は直感で分かったが、

別に慌てふためいている様子もないので、特に話し掛ける事はしなかった。

しかし授業の鐘が鳴っても一向に着替える風ではなく、教室と廊下を行ったり来たりしている。

それにしても他の誰もがRのその姿に気を留める訳でもなく、声を掛けるでもなく、

まるで存在自体を知らないかの様な振る舞いにオレは心底ドキッとした。

つい数週間前に友人がおろらく

Rの事が好きなら注意しろ!もしくは、注意しとけ!と

言い掛けた途中でオレが席に戻った時の事が脳裏を過ぎった。

オレだけがRとの距離を縮め、他のクラスの連中はそれに反比例してRから遠のいていた事に

全く気付いてやれなかったのだ。

「ねぇ、何か探してんの?」

オレは堪りかねて、廊下をウロついているRに話しかけた。

「・・う、うん。ちょっとね。でもいつもの事だから。別にヘーキ。ありがとね。」

「オレも一緒に探してやるからモノは何よ?モノは。」

「・・・あ、うん。・・・制服。」

何か気の利いた事を言おうと色んな言葉を引っ張り出しては、

その全てが儚くも散る慰めに過ぎない言葉だったので

何も言ってやる事が出来なかった。


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