「美女と野獣・・・」-28
にも関わらず皆からスタイルが良い、と思われるRはやはり庶民の体型とは
一味違ったソレなのだろう。
確かにヤツの言ってた事には頷ける部分もあった。
何度か女子がRに話しかけてる所を目撃した事があったが、
愛想笑いもクソも無く、素っ気無く受け流しては
すぐさまノートだかなんだかに何かを書き下していたのだ。
今思い起こせば、話しかけられた時、別にあっち行ってよ!みたいな感じではなく、
かといって別に完全シカトをしてる風でもなく、
何かに怯えたような・・・
まるでイジメっ子を目の前にしてる風な・・・
やっぱイジメられてたのか・・・?
イジメは繰り返される・・・
さっきヤツの言ってた事が、どんな馬鹿げた戯言だと思ったが、
気になってくると気になってしょうがない。
とは言いつつも、心のどこかでは
そんなのあるハズもないと思い込み、
実際に今まで通りに可も無く不可も無い関係でいようと、そう思った。
体育の授業が終わって教室に戻ってきた時に、
Rの制服が無くなっていたのはそれから間もなくの事だった。