「美女と野獣・・・」-11
その4
階段を昇りきるとドアが一つしかなく、つまりこの階段はこの部屋へ行く事だけの意味を持つ。
Rは1年半、この中学校に通っているが、舞台に上がった事など一度も無く、
当然ここにこういう階段があってこういう部屋に繋がっていたとは知る由も無かった。
ただ体育館の大ホールから見上げた時に、大きな時計のすぐ脇に意味不明な窓がある事だけは知っていたが。
ドアは何の抵抗も無く簡単に開いた。
鍵をかける理由が無い程に部屋の中はがらんとし、
6畳程の広さの片隅に放送器具と椅子が置かれているだけだった。
もしくは鍵をかける必要の無い程に、この部屋には誰一人近寄ってこない事を表すのだろうか。
彼らが歩く度に床に積もった埃が舞い上がり、彼らの顔にモザイクを入れる。
4人各々に手足を持たれて宙ぶらりんになっている為、
スカートが捲れてまだ若干14歳の艶やかな太ももが丸出しになっているが、
そんな事すら気にする余裕も無く、Rはただただこれから自分がどうされるのか、
どうなってしまうのかだけが頭の中を駆け巡っていた。
ドアがバタンッと閉められ、彼を含めた獣6匹がうごめく狭い密室の中に
ただ一人ひ弱なRが生贄として部屋の中央に宙ぶらりんになっている。
Rは自分の股の間から丁度彼の姿が見えた。
つまり彼からは、純真無垢な真っ白いパンツが丸見えなわけだ。
太ももといい、パンツといい、更にはセーラータイプの制服の為に腹丸出しという、
普段では恥ずかしい部分をさらけ出し、しかも相手が一人ならまだしも
総勢6人もの輩に囲まれて、涎を垂らさんばかりのイヤらしい目つきで嘗め回される。
「悪く思うなよ。お前が悪いんだ。あんなに抵抗しやがって・・・」
何を言ってるの・・・?
何で私が悪いのよ・・・
抵抗しなきゃ良かったってゆうの・・・?
馬鹿馬鹿しすぎて言葉が出なかったが、所詮反論した所で口の中のハンカチにかき消されただろう。