「美女と野獣・・・」-108
神の存在を否定し、出来るものなら抹殺したかった。
しかし、今思えばそれもまた試練。
オレに与えられた試練。
かつてＲに与えられた、オレとは比較にならないほど高く険しい試練を
オレは恨み、怨み、憾んだが、
その壁を乗り越えたからこそ今の華やかなＲが存在するワケで、
あの辛すぎる経験、あの惨すぎる体験をしているからこそ
凄まじい汚辱と果てしない陵辱に耐えられてるのかもしれない。
そしてそのエンドレスな絶頂地獄の末に存在するトランスという名の天国へ辿り着く。
暴風、激嵐の龍の巣の中にあるラピュタみたいなモノだろう。
そこへ辿り着こうと思う女は如何ほどいるのだろう。
むしろその存在すら知らない女の方が多数を占めているに違いない。
だからこそオレはその存在を教え、その快楽を伝え、
Ｒの様に悶絶うって白目を剥いて、
泡でも吹いてくれりゃぁそれに越したことは無いのだが。
地獄を見ずに天国を見ようなんて甘すぎる。
もし万が一、地獄を見ずに天国を見れた人がいるならば、
その人はきっとこう思うだろう。
天国って・・・・・
こんなモン・・・か・・・
地獄を味わってこそ天国の良さが分かるってモンよ。
むしろ本当の地獄を見た人は、ごくごく普通の環境ですら極楽だと思う事だろう。
たかがＡＶ、されどＡＶ。
馬鹿にしてはいないが、尊んでもいなかったＡＶ。
今夜、一本のＡＶによってここまで考えさせられ、
今までの人生とこれからの人生を振り返りながら
バスルームで彼女の頭を鷲掴んでイラマしているオレは
だから幸せ者だっつってんの。
後悔は過去を変えたがる気持ち。
反省は未来を変えたがる気持ち。
どうせ思い悩むなら、過去より未来を見据えるべき。
二度に渡ってオレはＲにそう教わったワケだ。
画面の中では、キモ男優達がＲの顔や身体に
真っ黄色の小便をぶっかけていた。