その行為は「治療」につき…-7
「あああああああっ!」
「く…っ、すっげえきつい…っ」
眉間をよせ、目をきつくつぶって、千春は荒い息をくり返す。
快感に身を委ね欲望のまま動きたいという思いを堪えて、佐伯は千春の髪を撫でた。
心地良さそうに顔を擦りよせ、千春は息を一つ吐き出すと目を細めた。
まだ鈍い痛みがあり、違和感が残っている。
それでも、安心感と気遣われることへの嬉しさが込み上げる。
もう「治療」でも、なんでもいい。
「先生…動いて、いいよ…?」
「は?だってお前…」
痛いんだろ。と言外に、心配そうに佐伯が尋ねる。
「痛…いけど、でも我慢できるから、大丈夫…」
「……分かった。その代わりやめねえからな」
念を押すとこくりと千春がうなずく。
それを確認して、佐伯はゆっくりと腰を引いた。
静かに、千春のナカを味わうように動く。
「あっ…っ、ああっ…っん!」
佐伯の白衣をぎゅうっと掴んだ。
少しずつ早くなる佐伯の動きに鈍い痛みが広がる。
その違和感を気持ちいいとはまだ言えないけれど、
それでも、決して嫌ではない。
肌を重ね合わせて繋がることで、これまでとは違う気持ちでいっぱいに満ちていく。
今まで、こういう経験は全然なかったから分からない。
けれど「肌が合う」という言葉は、きっとこういうことだ。
抱きしめられているだけで、
触れられるだけで、
ドキドキするけれど、落ち着く。
違和感が、ない。
「大丈夫か…?」
「ん…へーき…っ、ぁあっ…」
また早くなった動きに千春がのけ反る。
「もう…ちょい、だから…っ」
切れ切れにそう言葉にし、佐伯は千春への思いやりを捨て、ただ自分の欲望を貪った。