**ヲタクアイドルとアイドルヲタク**-6
「俺が来なかったら、今頃ひよりはどうなってたことやら‥。」
ぅう゛‥‥‥
「ひよりはちっこいし、力もないから簡単に取り押さえられて、もしかしたらあられもない姿にされてたかもしれないよ?」
このぉ――――ッ!!!
「あぁーっ!!じゃあどうすればいいんですか!??何かお礼でも差し上げれば満足ですか!??」
もう、こうなったら自棄だ。
「うん、そうだね。ちょっとこっちおいで?」
ロッカーの隣にしゃがんでいる先輩が手招きするほうへ行く。
「きゃっ!??」
「ひよりは従順な犬みたいだね。でも男に呼ばれて、簡単についてっちゃうのは無防備すぎるよ?」
いつの間にか先輩と目線が同じ高さに。
「えぇっ!??ちょっ‥と!??」
「ダメだよ?誰もいないところで男と二人っきりになっちゃ。男はオオカミなんだからね♪」
そう言って笑う先輩はすごく色っぽくて、何も言い返せなくなってしまった。
あれ?
ちょっと??
私、押し倒されてるッ!??
「本当、子犬みたい。」
えぇっ!??
「どいてほしい?」
「もちろんっ!!」
顔がちっ‥‥近い‥。
「じゃあ、俺のお願い聞いてくれる?」
「最善を尽くします‥‥」
どうでもいいから、離れてください‥‥。
「じゃあ明日の12時に駅に集合ね!」
はっ?
「返事しないとこのままキスしちゃうよ?」
「はっはい、はいっ!!」
「してもしちゃうけどね」