よくある怖いお話-2
「うわ、怖っ」
男は一冊の本を閉じ、身震いをしながら呟いた。
「だけれど凄いですね、こんな捕まらないなんて」
男は、隣にいる図書室の司書に問い掛けた。
「そう、それには一つ秘密があるんだよ」
「秘密?」
「手紙の内容の一文字目を縦読み一字飛ばしで読んでごらん」
「皆…殺…し…だ? おお、皆殺し」
「次に、飛ばされた部分を読んで」
「お…前…も…殺…す…ですか」
「暗号だよ」
司書はにこやかに微笑むと、懐からナイフを取り出し、男の首にあてがった。
「捕まらないんではなく、捕まえられない、ただそれだけのこと」
そして素早く、右手を振り抜いた。
END