『ぼくをかいませんか side-T』-3
君も、一人は淋しいんだよね?
少年はパタパタと駆けて来て、私の腕に擦り寄った。
「ありがとう、おねえさん。」
嬉しそうな笑顔。
嬉しいから、笑う。そんな感情丸出しの少年をとても可愛らしく思う。
それと同時に羨ましく思う。
私は少年の頭をそっと撫でた。
そのまま――
二人で支え合うように、アパートへと向かった。
私の腕にしがみつく少年。その肩を支える私。
だけど、そんな細い肩にこの私が支えられる日が来るなんて
考えもしなかった。