**アイドル暴走警報**-1
「ヒヨっ!おはよう♪玄関でにコソコソして、ストーカーみたいだよ?」
あぁ‥心優しき私の友人‥
「おはよう、優ちゃん。別にコソコソしてるつもりはないんだけどさ‥。」
おはようございます。
昨日、ド偉い目に遭った渡辺日和です。
犯人は前方5メートルあたりで爽やかにあいさつをかわしている学園のアイドル瀬戸晴輝被告。
あの後、引き止める瀬戸先輩を振り切って無事帰宅‥いや、もはや帰還した気分でお家に着きました。
「なんだかんだ言ってヒヨも瀬戸先輩のこと好きなんじゃーん!!!」
ぎゃぁぁぁー!!
優ちゃんッなんて大きな声でそげんことをっ!!!!本人に聞こえでもしたら‥
「日和ちゃん、おはよう。昨日は何だか用事があったみたいで俺がタイミング悪かったよね。今日も待ってるから、放課後にね。」
‥‥‥かっこいい‥‥。
ね‥って‥笑った顔が眩しいです‥‥。
って、違うッ!!!!
何、見惚れてんだよ!!私ッアイツはただのオタクで‥
「ひーよーりーちゃん♪じっくり話を聞かせてもらおうかなぁ‥とりあえず教室行こうかぁ。」
あぁ‥‥
死神が私を迎えに‥‥。
体に穴が開くんじゃないかってくらい、突き刺さるような視線を送られながら教室へ迎う私。
何より、優ちゃんに捕まれた襟首が苦しい‥‥。
「優ちゃんっ!!実は瀬戸先輩はゲームオタクなんだよ!!しかも萌え萌えキャラとバーチャル恋愛するような感じのっ!!!」
私が昨日、考えた末に出たルナタンの正体。ときめきメ〇リアルのようなオタク系の何かなんじゃないかと思ったんだけど‥‥
「黙れ。」
あっ‥はい。
「どういうことか、ちゃんと解りやすく説明しなさい。」
笑顔が黒い‥‥。
ここで全部を話すのは簡単だ。でも待てよ?もしここですべてを話してしまったら‥‥
優ちゃんがあの場所に先輩が来ることを知る。
優ちゃんが知る=全校生徒が知る。
瀬戸先輩が来る=ファン(不特定多数)が来る
つまり、私のお気に入りスポットが奪われる!???
全力で阻止せねばっ!!!!