**アイドル暴走警報**-3
くそォォォ――ッ!!!
あんな気持ち悪い変態オタクのくせに、何だ!??あの有無を言わせない輝くスマイルは!???
悔しいと口唇を噛みながら私の足はいつもの廊下へ向かって歩きだす‥‥。
あぁ‥‥
何でだろう‥‥。
着いた途端に後悔の嵐が私を襲う。
目の前には掃除ロッカーが我がもの顔で廊下のど真ん中に佇んでいる。
しかもなぜか‥‥
‥‥3つも‥。
近づいて貼り紙を読むと、
『3つのうち、どれか1つだけをノックしてください。』
訳が分からない。
この3つのどれかに先輩が隠れているということだろうか‥。
そもそも私はなぜここに来てしまったのでしょうか?考えられる理由は3つ。
1.先輩の言葉に魔力が秘められていて、足が勝手に動いたから。
2.先輩の言う[ルナタン]が気になったから。
3.今朝の先輩の笑顔にクラクラしたから。
うーん‥‥。
たぶんどれも当てはまる。円グラフにしたら、1が半分以上を占め、2と3が残り半々くらいかな‥‥。
このまま何事もなかったかのように去るのもありだよね。そして私は元の生活に戻ると‥‥。
うん、そうしよう。
振り返り教室に戻ろうとした瞬間‥
ガチャンッ!!
「ひぃぃッ!??」
ガチャガチャガチャンッ!!
えっ!??
ホラー!??
本当に恐いんですけど(泣)
何が恐いってロッカーから先輩が登場するならまだしも、ずっとロッカーが一人で揺れているなんて‥。
しかもすごい音で。