純な彼女-2
「理沙入るぞ」
「……」
「理沙?」
ジュースを入れた袋を持って二階に戻り、部屋の前で呼びかけてみるものの、理沙から返事がない。
仕方なくドアを開けてみると、視界にうつった理沙はベッド下にうずくまり、何やら雑誌を見つめて驚愕している様子だった。
…なんだ?
不審に思った俺はバレないように理沙の後ろに歩み寄る。
「なーに見てんだよ?」
「!」
俺に後ろから覗き込まれて、ようやく気づいた理沙の肩が上下に大きく跳ねあがる。
その瞬間、理沙は見ていた雑誌を慌てて閉じようしたが、俺が即座にそれを奪い取った。
「だ、だめっ…」
そう小さく叫んだ理沙を無視し、パラパラと中身を開く。
だが中の写真を目にした瞬間、マズイと思った。
……あ、
やっべ。
これエロ本じゃん。隠し忘れてた。
しかもエロ本と言っても、グラビアアイドルが水着姿でニコニコ笑っているようなカワイらしいもんではなく、目元だけにモザイクをかけ、女の乳首やあそこはモロ丸出しで、淫らな格好をしている過激なエロ本だった。
「…あー…」
思わず言い訳するのに考えてしまった。
なんつーか、彼女にエロ本を目撃されてしまうのは、男の心情…内心複雑だったりする。
しかも、よりにもよって理沙に。
そんなことを考えながらエロ本片手に立ちすくむ俺の下で、理沙は何も言わず、ただ体を小さく縮こませてうつむいていた。
表情は見えないけど、耳が赤くなっている状態から、恐らく顔もりんごのように真っ赤になっているはずだろう。
そりゃ無理もないか。
モザイクなしで股全開だもんな。理沙には刺激が強すぎたかもしれない。
まぁ丁度いーか。これでわざわざ口説く手間も省けたし。
カマかけてやる。
「理沙」
俺に名前を呼ばれ、理沙の身体が小さく反応する。
口で言ったってどうせ分かんねーだろうから、身体で教えてやるよ。
俺はわざとらしく口角をあげたかと思うと、さりげなく部屋のドアにカギをかけた。
「なに照れてんだよ理沙。こんなの、男なら誰だって見るよ」
天敵に見つかってしまった子うさぎのように小さくなっている理沙に近づき、肩へ触れる。
俺に触れられ、ビクリと震えた理沙の身体。
そんな姿を見て、俺の欲望はますます刺激される。
…子ウサギが理沙なら、俺はそのウサギを喰らおうとする狼だな。
「それに…」
そう言いかけて、理沙の肩に触れていた指を舐めるように背中へスクロールさせる。
そして服越しからブラのホック部分をつまんでみせると、震える理沙の耳元へ甘く囁いた。