『あの日の君は』-1
「・・・ごめん、別れよう・・・?」
察しはついてた。
どうしてかって?
君の目を見りゃ一発さ。
「俺は好きだよ。すごくね。」
正直に言った。でも、引き留める気じゃなかった。
「うん・・・ありがとう。でもやっぱり・・・」
「分かってる。」
遮る様に言う。
"・・・バイバイ"
フタリで歩いていた道を、ヒトリで歩き始めてからどれだけ経っただろう?
環境も友人も変わった。
それでもまだ、ヒトリで歩いてる。
付き合わないのか。
それとも付き合えないのか?
頭ン中もいくらか変わった。
「あの日の恋は、ユメマボロシ?」
"本気"だったはずの恋が、"幻影"の様に感じられてしまう。
あの日、自分が発したあの言葉は、果たして本心だったろうか?
でも、変わらないものも確かに・・・。
眩しい笑顔をした君は
今でも俺を温める。
・・・重くなった目蓋の裏で。