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「別れ話をしよう」
【二次創作 恋愛小説】

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「別れ話をしよう」-6

[act.3]
すこし掠れ気味の声。
セクシーな喉仏。
薄いけれど、優しく包んでくれた胸板。

次の恋人も、貴方のそんなところに惹かれたのかしら。
私より胸が大きくないといいけれど。
渡したくないと思うのはやっぱり私の我儘かしら。

店の前で唇を重ねる。
少しお酒臭い、貴方との最後のくちづけ。
私も、飲んでおけば良かった。
お酒を理由に引き留められたら良かったのに。

でもきっともう送ってはくれないから。
今日は素面で良かったのかもしれない。

私の方から背を向けた。
貴方が去っていくのを見たくはないから。

しばらくは、貴方の面影を街中に探してしまいそう。
貴方に似た人を見る度に泣いてしまうかもしれないね。

貴方の前で泣ければよかったのに。
そうしたら何かが変わっていたのかな。
でも、それを許さなかったのは私のプライド。

振り返っても、貴方の姿はどこにもなくて。
今頃になって溢れる涙。

この広い街でまた貴方と出会える奇跡はあるのかしら。

大好きでした。
私の大切な人。
私の恋人だった人。
さようなら、愛した人。
さようなら、私の恋心。

深呼吸を一つして、昔の恋人に別れを告げると、夜の都会に足を踏み出す。


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