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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈貴未篇〉後編-15

「行きますか?」

「ああ。」

千羅の問いに短く答え、カルサは一望できる国を見つめた。

「リュナは?」

「置いていく。瑛琳に任せる、千羅は一緒に来てくれ。」

千羅は頷いた。急激に動きだした未来は一瞬でも遅れたら先がないような気がした。

これからやらなければいけない事を頭の中に組み立て、道を作っていく。

「カルサ、オレも行く。」

貴未の声にカルサは振り返った。どこまでも真剣な眼差し、言葉は足りなくても目的地は分かっている。彼とはもう対等だ。

「分かった。」

カルサの答えは短い。

向かう先はかつて訪れたオフカルス、因縁と鍵がある御剣の総本山だった。

「忙しくなる、千羅はナルの所へ。貴未は聖達の所へ、頼む。」

そして動きだした。

カルサは再び視線を外に向けた。目に映るもの全て、この手の中で守りきってきた。

何かを心の中で呟き、手を胸に当てて誓う。千羅と貴未、マチェリラが見守る中それは行なわれた。そして全員で城の中へと戻る。

風が通り抜けた。


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