「懐かしい思い出は、つながらないよね」-2
高校も卒業して、晴れて短大生なった。
その頃、祭りが近くなると、頻繁に集まって、祭りの準備を進めるという「寄り合い」というの随時あって、そこでまた勇と再開した。
「お前。久しぶりやな〜なんかスッチーみたいやな〜」
その日、学校の帰りが遅くなりそのままの姿で寄り合いにきたので、制服がある短大も珍しいという意味で、そう言ったみたいだ。
でも、ちょっぴり大人になったということも見せたくて、そのまま来たのも事実。
その甲斐あってか、念願の携帯番号を自分の携帯に入れることができた。
アタシの携帯のメモリーの中に入る頃は、勇は大学生になっていた。
この間に勇も、アタシもどれほどの恋を経験をしてきたのだろう・・・
でも、アタシには、すでに彼氏がいた。半年の付き合いなだけに、勇の携帯アドレスを手に入れたことに期待を抱いてしまった。
聞けば勇は、彼女がいないという。
こんなチャンスめったにないと分かりながら、アタシは、今の彼氏を裏切ることもできず、そのまま勇の番号を通して、メールのやりとりだけを、選んだ。
選ぶなんていうのも、大袈裟な言い方になるけど、自分を正すためにも、そうした。
昔、自分の気持ちを優先させるために、友達の彼氏を密会したことがって依頼、道に外れたことをするとろくなことがないと分かったからだ。
それからは、道の外れたことはしていない。
アタシは、このとき、勇とアタシが、一生恋人になることはないと自分でも想った。
勇は、メールをちょくちょくくれるようになった。
そのたびに、平凡な日常がちょっぴり幸せなものにと、変わった。
今の彼氏とも、十分の幸せなのに、勇からのメールがくるだけで、気持ちは、ウキウキしてしまうように、アタシの気持ちだけは、いつでも素直だった。
あるとき、勇からのメールで、小さな機体を抱く自分に気付き始めた。
これでは、ダメだと思い。勇には、もちろんアタシを意識する気持ちなんてないだろうと決めこんで、勇に彼女がいるかと聞いた。
勇「おらへんよ〜。誰かいい子紹介してや〜」
アタシ「バイト先とか、学校とかで好きな子とかおらへんの?」
勇は、アタシに紹介してくれという。
アタシは、自分を紹介したいよ(怒)・・・
と想いながら友達を探してみるわと約束をして、その日は、とりあえず話は終わった。
自分の望んできたことを考え直してみた。
勇と付き合いたい→でも、彼氏がいるから、メールのやりとりだけでもと思い今がある→でも、今彼女となる人を探す手伝いしなくてはいけない。