I MISS YOU U-1
嫌いな男友達を通じて知り合った知ちゃん。
私の運命の人。
職場の忘年会中に初めて知ちゃんと電話をして、それからは毎日電話をしていた。
知ちゃんとの電話は楽しい。会話は耐えず、私の知らない事を何でも知っているかのように思ってしまう。
夜になると知ちゃんとの電話が日課になっていた。
彼氏がいるのに。顔も見たことのない知ちゃんが気になってる。
どんな顔してんの?
今何してるの?今日も電話くるのかな。
いつものように部屋で横になってたら知ちゃんから電話がきた。すぐに電話に出たい気持ちを押さえて、あえて5コール目に電話に出る。内心ドキドキしつつ。
「はいはーい」
「あははっ!」
急に笑いだす知ちゃん。
ん?何?
「急に笑ってごめんね。今いきなり親父が部屋に入ってきて、ファッションショーしてくるからおかしくって。」
微笑ましい。電話の奥から「これ、やっぱダメかな?」と真剣なお父さんの声が聞こえて、私まで笑ってしまった。
「それ、ねーわ!それはまずい。」って爆笑しながらお父さんに助言してる。
よく笑う知ちゃん。その笑い声だけで私の胸は高鳴っていた。
電話を切った後はいつも思う。もっと話したかったなぁ。淋しいな。
知ちゃんとの電話で分かったこと。
知ちゃんにはお母さんがいない。小さい時に子供を置いて出ていってしまったらしい。だから長男である知ちゃんは、人一倍プレッシャーを受けていた。それでも家族を大事に思っている。
あと、あんまり人を信用できないってこと。母親の事が関わっているのかな。それと、大親友が一人いること。
知れば知るほど魅力的に思えてしまう。きっと知ちゃんにしか分からない傷があるんだ。
私が知ちゃんを支えてあげれたらいいのに。
そんな風に思いながらも未だ会う機会もなく、彼氏ともただ普通に過ごしていた。
知ちゃんと出会ってから一ヵ月程。友人のかよから電話がなった。