僕らの日々は。〜パンにまつわるエトセトラ〜-2
「何で食パ〇マンだけスライスされた状態なのかしら?」
……………。
「またえらくどうでもいい事を………」
思わず脱力。
真剣な表情だったので何かと思った。一葉的にはどうでもよくないらしいが。
「だってさ、他の二人が丸ごと使ってるんだから食パンも丸ごと使うべきじゃない?不公平よ!」
「いや、あのスライスする前の茶色い塊が頭だったらゴツイだろ」
「…だいたい一斤の食パンから6枚くらいに切れるわけだから、食パン一つにつき六人の食パ〇マンが量産される計算ね」
……食パ〇マンって量産機だったのか。経済的だ。
「おまけに一人だけ味も付いてないし、コストパフォーマンスでは他の二人と比べるまでも無いわね!」
「味に関して言えば、せめてトーストすればまだマシなのに……」
「ダメよ。顔が小麦色になったら食パ〇マンがギャル男になっちゃうじゃない!紳士なのよ?」
さいですか。
「そうよ。……あ、そうだ。アンパ〇マンの住んでる街にさ、カバの男の子がいるじゃない?」
「……いたっけ?」
「いたわよ」
あー、そういや名前がそのまんまカバっぽいキャラがいたような。
「あのバイキン男によく捕まってた人(カバ)だっけ?」
「そうそれよ。アイツみたいな感じでさ、あの街には動物を擬人化した人がいっぱいいるのよ」
「……まぁ、パンですら擬人化する世界だからね。それがどうかしたの?」
「前から気になってたんだけど、不公平じゃない?」
「何がさ?」
特に問題はないような。ファンタジーの世界なんだし。
しかし一葉はまたまた何やら深刻な表情で、
「なんで村の動物は擬人化してるのに、ジャムお〇さんの飼い犬だけはペットという立場なのかしら?」
「……チー〇の事?」
「三文字のキャラを伏せ字にするとワケ分かんないわね……。多分その事で合ってるけど」
「……でも確かに謎だな。そういやなんでだろ?」
他の動物は人として認められているのに、なぜか一匹だけペット扱い。
……なんか改めて考えると気の毒だな、あの犬。
「……陰謀の匂いがするわね」
「いや、そんなおおげさなモノじゃないと思うけど……」
陰謀って。