ココロもカラダも 4-3
「どーする?泊まってく?」
「いい。帰るわ」
「了解。送る」
家の近くで車を止めてもらう。いつもならここですぐ別れるはずだった。
「なぁ、虚しくね?」
ドアにかけようとしていた手がかたまる。
「………何が?」
努めて冷静に返す。
「お前さ、すがりつきたくてたまらないくせに強がってるのが見え見え」
「とんだ勘違いね。自分にいいように解釈してるだけなんじゃない?」
「…そうゆうことにしといてやるよ」
それに対して返事もせずに車を降り、家に入る。
神崎がその後ろ姿を見つめてることに気づきもせずに。
―誰かに愛して欲しいと願いながら実は自分から逃げてる?―
―ココロも愛して欲しいと願いながらカラダに頼ってるのは私自身?―