多分、救いのない話。-4--7
「関係ないって?」
「そう。慈愛が先生のことを気にしている。それだけで充分」
「!? ちょ、ちょっと待って」
唐突に言われた言葉は水瀬の知らない事で、聞き逃せない事だった。
「え? メグちゃん、葉月先生のことが好きなんですか?」
あの子とはそれなりに話してるつもりだったが、そんな話は聞いたことなかった。
「ええ。私初めて会う方には出来る限り珈琲を出すの。これは私のジンクスなんだけど、珈琲の飲み方を見ればどんな人間か大体分かるのね。それでまあ、先生の為に家庭訪問の時に出したんだけど。その時の慈愛の飲み方がね」
クスクス笑う。愛しくて愛しくて仕方ない、そんな想いを隠そうともせずに。
「熱い珈琲を、ブラックで飲んでたの。猫舌で、本当は珈琲飲めないのに。
……どうしてだと思う? 大人っぽく見せたかったから。
……何故? 好きな人の前だからよ」
可愛いでしょ? 精一杯背伸びして、少しでもアピールしようとするところが。
殆ど頭には入らず、なのに心に直接入り込むような、魔性めいた声を聞きながら――聴きながら。
クラクラしてきた。これからどうすればいい?