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晴れた日の傘
【青春 恋愛小説】

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晴れた日の傘-1

私の傘はなかなか優秀だ。





「うっわー、誰よ?今日雨降るって予報した奴!」


学校からの帰り道の私は不機嫌だった。

朝は今にも雨が降り出しそうな曇り空だったのに、結局雨は降らず。

昼からは青空まで広がっちゃって、傘を持って来たのが何となく恥ずかしいじゃないか。

友達と別れ、一人電車に乗る。

傘を持ってる人は今のところ見ない。


「何でみんな晴れるって分かるわけ?」


…なんて心の中でぼやいてみる。

席が空き、腰を下ろした私に襲ってきたのは睡魔。

どうせまだ二十分は乗らなきゃならない。一人での電車は退屈だから寝るしかない。


ガタン―…ガタン―…


程良い電車の揺れと、程良い周りの喋り声は子守歌だ。

すっかり眠りに落ちた私を引き戻したのは少し騒がしいざわめきとアナウンス。

人の乗り降りが多い駅はよい目覚ましだ。

半分寝ぼけている私の肩を誰かが軽くたたいた。


「これ、忘れてるよ」

「…え?あ〜」


手渡されたのは傘。

そういえば最初立ってた場所に掛けたままだったっけ。


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