FULL MOON act3-4
「ぅああ…ヒャァ…」
彼ももう我慢出来ないと言った様子で、私に腰をうちつけた。
彼がくれる快感をあますことなく受け入れる。段々と上りつめてくるのがわかる。
彼の一回一回の動作が…私にくる……
「…あぁ、ああぁ…気持ちっいっ高坂さん…」
「…イッて…お、れも…」
ビクビク、と私の中が収縮する。すると同時に彼のも中で一段と大きくなる。
頭が真っ白になる。
高坂さんっ…
私は思わず呟いた…
翌日。
彼は当然、仕事である。早く起きていってしまった。私はその姿を寝ぼけまなこで見送ったのだ。…本当は料理の一つや二つを作ってあっといわせたかった。けれど私が再度目覚めたのは10時すぎ。悲しき大学生。元カレを見送るようなつもりで送ってしまった。そうだ。そういえば。
私はケータイを取り出して、昨夜のメールを見る。
『会いたい。』
それだけ書かれた文章。絵文字も顔文字もなく、ただそれだけ。ホントに会っていいのかな。昨日から私の彼氏は高坂さんだ。
しかし…。
まだ癒えきってないのだ。元カレと似た服装や髪型や後ろ姿、横顔とか…そんなものを目で追ってしまう。そんな心を持ちながら、高坂さんに惹かれてる。矛盾。どうしたらフッきれるのか。
しばらくケータイを見つめながら、ぼんやりと考えた。けれど何の解決策も浮かばずとじる。
大きく言えば心理学を大学で専攻してる私は、こんな状況をうまく整理出来るはずだと思う。でも…やっぱり、無理なのだ。最近、立て続けに色々なことがありすぎて、理解できているのかも微妙。
「それは、あんちゃん、ちょっと急すぎるでしょ」
同じ科の友人、白井夏樹は言う。あんちゃんは私だ。安西めぐみ。あんちゃん。私は自分の中で消化できず、今までのあらましを彼女に話したのだ。
「やっぱり?」
「うん。しかもヤッちゃったの?」
「うん。3回。」
「3回も!!」
半ば呆れた様子の彼女はオレンジジュースを一口飲む。
「そんなにその人かっこいいの?」
「…何か、雰囲気が引き込まれる。ずっと一緒にいたような気分になる…。大人だし。」
「遊ばれてない?」
「…分かんない。今のところは大丈夫だと思う。」
「そっか…あんちゃん、すごく落ち込んでたもんね。にっしーと別れて。」
西野啓太。にっしー。
私の元カレは、同じサークルの男だ。1つ年上。私はもう3年だから、彼は4年か。1年弱付き合っていた。告白は私からだった。