投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Authorization Lover
【その他 恋愛小説】

Authorization Loverの最初へ Authorization Lover 32 Authorization Lover 34 Authorization Loverの最後へ

Authorization Lover-VOLUME7--1

他人に見せたい自分を装っているのに、他人はそれを見てくれない。

他人は自分が知らない自分を見続けている。

そんな世界は息がつまりそう。

それでも世界を有るが儘に受け入れることはできる筈。

曇りのない目で、歪みのない世界を見つめるの。

素直な心で尋ねれば、世界はきっと語りかけてくれるわ。

ね、そうでしょう?





「大好きよ」と素直に銀に伝えれたのはいつまでだったろうか。

中学までは事あるごとに大好き、と告げていた気がする。お風呂はいつも一緒。勿論、寝るのも一緒。山本のおじが呆れるほど、雛菊の生活の大半は銀と共にあった。

中学に上がると、雛菊の胸は膨らみ、幼いながらも美しさを持つ女になり、銀は背のスラッと高い綺麗な美少年になっていた。

その頃から、銀の雛菊に対する態度が変化してきた。

お風呂にも一緒に入らなくなり、雛菊が腕を組もうとするとパッと腕を払う。

雛菊がそのときに、悲しい顔をすると、銀もその後死にそうなくらい辛い顔をした。

何がどうなってるのか雛菊には解らなかった。

ただ不安でいっぱいだった。

山本のおじに尋ねても「年頃だでしょうがない」と苦笑いしながら答えるだけで、明確な答えはくれなかった。





そんな時だった。男友達が多い女友達に相談して、助言されたのが「ヤらせれば優しくなる」だった。

「何を?」

助言されて思いつかなかった雛菊は、首を傾げた。友人はフフッと笑って雛菊の胸をつつく。

「せっくす。」

「はぁ?!」

雛菊は、目を丸くして、友人を凝視した。

雛菊は、自分が呼び出した喫茶店の冷房が弱まった気がした。事実はただ単に、雛菊の体温が上がったのかもしれないが。

「結婚するまでそんなのしたくないよ…」

雛菊は顔を真っ赤にしてうつ向いた。友人はフーッと息をはいて、着色された髪をいじる。


Authorization Loverの最初へ Authorization Lover 32 Authorization Lover 34 Authorization Loverの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前