Authorization Lover-VOLUME6--5
「…そんな事があったんですか。」
桃子は複雑な顔をしている。
「だから企画は人が少ないのよ。…その時ごっそり辞めたから。」
私はあの時未熟だったから、燕が身を悌して木原さんを守ったのに気付かなかった。
今なら解る。
風の噂で燕が離婚したのは聞いた。
木原さんは、やっと自由になった。燕と共に。
新たな傷跡を残しながら、私達は前に進む。
傷口が膿んでも、血が流れても。
第七話に続く