果たせなかった約束-1
10月最後の日
夕暮れの秋空を見上げながら
いつもの通学路を帰っていた
沈んでいく夕陽を見つめていると
ふ、と
思い出したのは
昔の記憶
それは
大切な約束
しまった
なんてことだ
大事なことを忘れていた
忘れまい
絶対に忘れるものか、と
心に誓ったはずなのに
悔しさと悲しさで
涙が溢れそうになる
ちくしょう
俺のばかやろう
『……レンタルDVDの返却日、昨日までだった……』