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ベルガルド
【ファンタジー その他小説】

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ベルガルド〜対峙〜-2

コンコン

「お二方、女王陛下のお許しが出ましたので、謁見の間までご案内いたしますじゃ。」

そして二人は、再び現れた副団長に謁見の間へと案内された。
副団長はふぅ、と息を吐くと、軽く握った手で、扉をノックしようとする。
「あ!ベル見てよ!これこれ、これがヒトのノックってやつ!」
「ふん、本当にドアを叩くんだな。俺らにはない文化だ」
せっかくのノックを邪魔された副団長は、感心したような様子の二人を、いぶかしむように見た。
「ノックがそれ程珍しいですかな?」
その語調にほんの少しイラつきが混じっている。
「いや、別に・・・」
(余計なこと言うから、怪しまれたじゃねぇか!)ベルガルドがカイを小突いた。

ゴホン!

咳払いをした後気を取り直して、副団長が謁見の間の扉をノックする。

「入りなさい」という凛とした声が響いた。その声を確認してから扉に手をかけ、大きく開け放つ。

そこで見たのは―

二人の少女だった。


一人は椅子に腰かけた少女。
そしてもう一人は側に控えている付き人の少女である。

トゥーラ女王はベルガルドとカイが想像していたよりも、ずいぶん若かった。
実際の年齢は16,7歳というところだろう。
長いウェーブのかかった黒髪をアップにして束ね、シンプルな白いシルクのドレスを身に纏っている。その肌は透けるように白く、黒く大きな瞳はとても澄んでおり、長いまつ毛が印象的だ。
しかし、その美しさよりも、若くして落ち着いている雰囲気が人を惹きつけるのかもしれない、と感じさせた。

「私はトゥーラ=アーレン。貴方達も名を名乗りなさい。」

其の時、ベルガルドは既視感を覚えた。
この口調、いや、口調じゃない。この感情を見せようとしない感じ。
(どことなく似てる・・・)
あの、漆黒の男の雰囲気に。

「ベル・・・どうかした?」
カイに呼ばれてはっとする。
「いや・・・なんでもない。気のせいだ。」

女王は二人の様子に少し首を傾げた。

「どうしたのです?魔族は名を名乗る礼儀も持ち合わせていないのですか?」
「!?」

ベルガルドとカイは驚愕した。それどころか付き人の少女と、初老の男も目を見開いて二人を見る。
二人が魔族だと気づいていたのは女王だけということだ。
「なぜ俺たちが魔族だとわかった・・・!」
「・・・。国境のゲートで捕まらなかったということは、装置があることに気づいたのですね。それとも知っていたとか?」
「どうして分かったと聞いている!」

両者一歩も譲らないという雰囲気。

ベルガルドは鋭い目で女王を睨み、女王も頑としてその圧力に屈しない。


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