End of Dream-1
何時から此処に居るのか分かりません……
何処から来たのか分かりません……
何処へ向かっているのか分かりません……
何時まで歩けばいいのか分かりません……
無限に広がる無の世界
敢えて色で例えるなら透明色
見上げても、
俯いても、
見回しても、
振り返っても在るのは
青でも、
赤でも、
白でも、
黒でもない
音も、
風も、
光も、
闇も無い世界
その世界を私は歩いています
何時から居るのかも、
何処から来たのかも、
何処へ向かうのかも、
何時まで歩くのかも分かりません……
分かっているのは
私が『私』であるという事と、
此処が不思議な世界という事…………
何も無い筈なのに
何かの上を歩いています
不思議と疲れは感じません
いえ……不思議なこの世界では不思議ではないのでしょう
音の無いこの世界に、一つの『音』が入り込んできました
泣いている『声』……
闇の無いこの世界に、一つの『闇』が訪れました
安息の『暗黒』……
光の無いこの世界に、いくつもの『光』が広がりました
無の『終着点』……
色の無い世界を抜け、白い世界が現れました
そう、私の『目的地』……
何時からあの世界に居たのか……
何処からあの世界へ行ったのか……
何処へ向かって進んでいたのか……
何時まで歩けばよかったのか……
「おはよう……」
やっと分かりました……
総てはこの瞬間の為に……
私の愛する『あなた』に逢う為に…………
「おはよう……」
〜end〜