遠い約束-5
ピーンポーン
返事はない。
もう一度鳴らしてみる。
ピーンポーン
しばらく応答はなかった。
しかし、突然ガチャッと音がして玄関の扉が開き、さつきが出てきた。
「さつき…。」
「………」
「ごめん、さつき。」
「…あたしこそ、ごめんね。言い過ぎた。」
「あの、さ。
…俺…お前のこと好きだよ。」
「何…いきなり。」
「冗談とかじゃなくて、本気だ。別にさつきが俺のことを嫌ってても恨んでても…俺はさつきのことが好きだよ。好きでもない女にあんなこと…キスなんて…するわけないだろっ。」
俺は言い終えると同時に恥ずかしくなって目を背けた。