遠い約束-4
「さつき…襲うぞ…」
さつきは寝惚けたままのようだったが、そんなこと俺には関係なかった。
もう、我慢できなかった。
俺は、さつきの唇にキスをした。
それでさつきは目が覚めたようだった。
「知…!?何すんのっ。」
「そんなとこで寝てるお前が悪いんだろ。」
照れ隠しというか何というか、俺は逆ギレしたみたいに彼女にそう言った。
「はぁ!?目の前で寝てる女には誰にでもキスするわけ!?
…もう、知らない!知なんか一生目の前で寝てる女とキスしてれば!?」
さつきはそう言って家に帰ってしまった。
さつきが帰った後、俺は自己嫌悪に陥った。
いくらさつきのことが好きでも、さつきの気持ちを考えないでキスした俺は最低だ、と。
しかも、俺は開き直ったままで彼女に謝っていない。
言い訳なんて見苦しいことしないで謝らなければならない。
思い立ってすぐ、俺は家を出、隣の家のチャイムを鳴らした。