遠い約束-3
「知希もさつきちゃんもちゃんと家の戸締まりするのよ〜。」
そう言い残して母達は去っていった。
「今日はあたしがご飯作るね〜。」
「できんのかよ。」
「できるよ〜!馬鹿にしないでよね!」
「カップラーメンあったと思うから失敗しても大丈夫だぞ。」
「失敗しないってば!」
その言葉通り、彼女は失敗しなかった。
…いや、ホントに失敗されても困るけど。
ご飯を食べ終えて後片付けをし終えた俺は、リビングを見た。
テレビは消えていて、さつきはソファに寝転がって眠っていた。
「さつき…」
俺は、さつきを起こそうと呼んだ。
しかし、起きない。
「さーつーきっ。起きろってば。」
「んー…」
そろそろ俺の理性もヤバかった。
好きな女のこんなに無防備な姿を目の前にして、いつまでも冷静でいられるほど俺の理性は強くなかった。