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はるのいろ
【青春 恋愛小説】

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はるのいろ#1-1

どうして私は産まれてきたんだろうとか、産まれてなんてきたくなかったとか、よくそんな考えを巡らせていた。

だけど答えなんてどうせ分かんないんだし、どうでもよかった。


何もかもがどうでもよくて、世の中つまんないって思ってた。




…あの時の私は。





* * *





高校二年になって一週間が過ぎようとしていた。

クラス替えをしたばかりでまだ特に仲の良い人はいないし、一年の時に仲が良かった人はクラスが離れてしまった。


クラスが離れても別に悲しくはなかった。

心から信用してるとか、そんな子でもなかったから。




第一私は、「ずっーと友達だよ」とか「あたし達親友だよねっ」って言葉自体嘘臭いと思う。




妹の結婚式に行くために、友達が人質である自分の身代わりになってくれるという、かの有名な話のように、本当にピンチな時に友達が助けてくれるだなんてそんな虫のいい話ないと思うし、そこまでお人好しな人なんていないと思う。



少なくとも私はそんな「深い友情」信じてない。



一人でいるのがいやだから一緒にいる。

私にとっての友達はそれだけの存在でしかない。





「ね〜笹部さん。今日の放課後皆でカラオケ行こうって言ってるんだけど、行かな〜い?」
「…ごめん。今日、用事があるんだ。」
「そっかぁ。じゃあまた今度ね〜。」





…ホントは用事なんてないけど今日はカラオケとかそういう気分じゃない。
でも、せっかく誘ってくれたのにちょっと悪いことしちゃったかな。


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