はるのいろ#1-4
「お前、ずっと探しててくれたんだろ?」
そう言われて、自分がいい人みたいで妙に恥ずかしくなって、
「ち、違いますっ。」
と言った。
「ま、いいけど。それより、お礼に昼飯奢ってやる。まだ食ってないだろ?」
「いいです!間に合ってます!」
私がそう言うと、その男子生徒は笑いだした。
「間に合ってますだって。マジウケんだけどっ。」
「わ、笑いたいなら勝手に笑って下さいっ。私は知らない人にはついて行かない主義なんです!」
この男子生徒は見るからについて行きたくなかった。
髪は金髪だし、見るからに不良で普段から私があまり関わりたくないと思っている人種だった。
そんな私の思いを見透かしたように、男子生徒は言った。
「まあ、そりゃあ、金髪で見るからに不良な奴には付いて行かねぇよなぁ、よい子の迷子の仔猫ちゃん。」
「な…っ。」
「授業サボってきたんだろ?」
「違っ…くもない。」
「だったらどーせ学校戻れねぇんだろ。おとなしく礼を受けろ。別に変なところ連れてったりしねぇから。」
見たところ不良だけど、別に悪い人じゃなさそうだった。
他に行くあてもない私は付いて行くことにした。