必要?不必要。-1
震える指、
押した、発信ボタン。
コール音、五回。
怖くて、切った。
いつも、
聞き分けのいい
フリしてた。
迷惑かけまいと、
必死になってた。
あなたには、
あたしなんて
『不必要。』
なのに、なんでよ?
ありえない。
返信コール。
『どうしたの?』
『元気ないじゃん。』
『何か、あった?』
『分かり易いなぁ。』
なにがあなたに分かるってのよ?
あたしの、何も、分かる気なんてないくせに。
『あいたいの。』
ただそれだけ。
あなたに、
最愛の彼女がいようが、
あたしが只の、
暇つぶしだろうが、
あたしには、
あなたがいなきゃ
駄目なの。
合わせた身体の
回数分、
あたしは、
ちゃっかり、
あなたに、
ハマっていって、
バカみたい。
抜け出せなくなった。
只、賭けてみたの。
着信残して、
何が、返ってくるか。
まさか五分後に、
あたしの、
死んだ携帯が、
息を吹き返すなんて、
思ってもみなくて。
メールなら出来る、
打算計算、
電話越し、
何一つ、
出来なかった。