社外情事?2〜初めての合コンといきなりの告白-17
「即決できないのが普通よ。気にしないで」
「…すみません」
「いいわよ、謝らなくて。…それより、今日は泊まっていって。今日は、もう遅いから」
「あ…はい。じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」
「…よろしい」
玲は満足そうに頷き、立ち上がった。それにつられて誠司も立ち上がる。
「寝る所、リビングにでも用意しなきゃいけないわね。同じ部屋だとまた襲っちゃいそうだから」
「あっ、だったら俺も手伝い」「いいの、誠司君にはここまで送ってもらったんだから。少しそこで休んでてちょうだい」
そして誠司の申し出をはねのけた玲は寝室から出て、扉をぴしゃりと閉めてしまった。
「…ふぅ」
ため息が一つ、玲の口からこぼれる。
「……ふふっ。益々誠司君のこと、好きになっちゃった」
――同刻。
「……誠司、さん…」
ため息混じりに誠司の名を呟く女性が、一人。
――湊である。
彼女は自室のベッドに寝転がり、開いた携帯の画面を見ながら、何度目になるかわからないため息をつく。
「…あの人の目…ちゃんとその人自身を見てくれる目だった…」
――画面に映るものは、合コンの時に交換しあった誠司のメルアド。
彼女はそれを眺め、誰に言うわけでもない言葉を呟く。
「…それに、楽しかった…」
ふっ、と彼女の顔に笑みが浮かぶ。
「…誠司さん……」
――続く