I MISS YOU-2
寒がりな私にとっては今からが恐怖の季節、11月中頃。
相変わらず彼氏とはうまくいっていない。なんせ彼には噛み癖がある。
小さい頃から厳しくしつけられた私には理解ができない。
久しぶりに会った彼氏に腕を噛まれてキレた私が「なんで噛むん!?」と怒鳴った。
「ほら、猫とかかわいらしいもん見たらあーんって食べてしまいたくなるやろ!?」と彼。
全くお話にならない。ゆきは猫ではない。すごく痛い。少しづつ増えていくあざにこの男は何も思わないのか。
不信感と怒りだけが増えていく。それでも何とか現状維持している私。
何がしたいんだろう?何を求めてんの?
自分で自問自答を繰り返しても答えは出ない。私は今もがいている。答えの出せない自分にいらだちを感じている。
悶々とした気持ちを抱いていても毎日は規則的に過ぎていくもの。
私にとって、答えの出ない『今』が苦しかった。
そして私は今、会社の忘年会に参加中。
普段の仕事の嫌な事や、彼に対する不満を忘れ、みんなとワイワイ話して、程よく酔っ払い。
気持ち良くなっている所でいきなり携帯が鳴った。
着信を確認すると見知らぬ番号。誰??
酔った頭で考えても全く覚えがない。
すぐに居酒屋の外に出て携帯の受話器ボタンを押す。
「…はーい」
って、警戒しながらも電話に出てしまった。普段の私なら知らない番号からの電話に出ることはなかったのに。
なぜか迷わず電話に出た。
「こんにちは。はちから紹介された知です」
これが初めて私たち人生が交わった時。
この時は全く何とも思ってなかったのに…。
むしろ面倒って思ってたのに、今ではこんなに好きなんて。
やっぱり運命かなって思ってしまう。
ねぇ知ちゃん、まだ私を好きですか?
二人はこの日から始まった。
続く。