さよなら 2-5
『んっ んっ んっ あんっ ぁ………』
骨盤に手を引っかけ、私の躰を引き寄せながら、腰を前へ押し出す。
彼の陰毛までもが入り込んで来そうなほどグイグイと押し付けてくる。
その前後運動はどんどん速まる。
速さを保ったまま私が着ているパーカーを少し捲り上げた。
それから何度か前後運動をし、ずるっとモノを抜く。
彼は自分の手でモノをしごきながら私の臍に向かって射精した。
『ごめん…何も言わないでイッちゃった……』
彼は私の躰に掛かっている精液を拭きながらそう言った。
『うん…………』
他に言葉が見つからない。
幻滅していた。
私の躰を使ったオナニーではないか。
私は一度も絶頂へ達していない。
しかし、絶頂へ達していないと言っても、セックスはセックスだ。
瞼を閉じると、りゅうたの優しい笑顔が浮かぶ。
りゅうたには、もう会えないな…
しんじが先に眠りに就いたのを確認し、泣けるだけ泣いた。
オナニーのようなセックス。
記憶に蘇るりゅうたの笑顔。
朝まで泣くには充分な条件だった。