強さの果てに…-5
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「ふぃー…ただいま〜」
「おっかえりなさ〜い♪ご主人さま〜〜♪」
そう言って抱きついてきたのは雪菜であった。
「疲れてんだから早くどいてくれ〜」
「もう〜ご主人さまのイ・ジ・ワ・ル」
「あ、ご主人様?」
「翔、なんか用か?」
「御仕事です…」
「…わかった、いま着替える」
「お手伝いしま〜す♪」
「結構です!」
なぜか敬語で断る夏希であった…。
──5分後──
「近頃人が神隠しに会うという現象がここ一帯で起きています」
「近いな?」
「はい、ですからこちらに連絡が来ました」
「…じゃあ軽くいってくるかー」
「行ってらっしゃいませ、御武運を…」
「ご主人さま〜、行ってらっしゃいのチュウを…」
バタン!
「も〜う…」
「ほら、通信室行くぞ?」
「ふあ〜い」
「…確かに気配は感じるな」
ピーピーピー
カチッ
「ご主人様通信は良好ですか?」
「アァ、大丈夫だ。相手の細かい位置わかるか?」
「少々お待ちください…」
ピクッ
「ご主人様!そこから東に100m先です!」
「わかってる!いま感じた!」
タッタッタッタッタッタッ!
「グルルル…。!?強いやつ…来る!?」
ザッ!そこにいたのは猫がそのまま巨大化したようなやつだった。
「おす、初めまして」
「お前、だれ?」
「俺の名は龍騎、お前を保護しにきた」
(魔獣か…、どうにか話がわかればいいんだがな…)
「保護?必要…ない、失せろ…」
「そうはいかねぇの、お前を保護出来なきゃ…」
「…出来なきゃ?」
「殺すしかなくなる…」
「なら…そうしろ…!」
ダッ!
「チッ!はえぇなコンチキショウ!」
「グルルル…ガアッ!!!」
牙を剥いて襲いかかってくる化け猫。だが、勝負は一瞬だった。