強さの果てに…-4
ドドドドドッ
「ん?な、なんだ?」
「ねぇねぇ炎豪君!次の授業の教科書ある!?ないならアタシの見せてあげる!」
「アンタ邪魔よ!炎豪君てなんか趣味とかあるの〜?」
そこへきたのは4人程の女子。
「え、いや、あの、その…」
「それより携番とメルアド知りたいなぁ?」
「あ〜〜智美抜け駆けずるい〜!!!」
「早い者勝ちよ!」
(うわぁなんか収集つかないなこりゃ…)
「あ、悪いんだけど俺これから学校の探検に行かなきゃ…」
「案内してあげるよ〜?」
「一緒に行こうよ〜♪」
「いや、自分で行けるから〜別に〜…」
「そんなこと言わずにさ、ね?」
「おい」
「はいはい?」
夏希の振り向いた先にいたのは先程足を出してきたやつだった。
「あんた…」
「ちょっと顔貸せや」
「ちょっと!炎豪君になにする気よ!」
「るっせぇ!引っ込んでろ!」
男子生徒が女子生徒に向かって殴りかかる、が
スパンッ!
「用があるのは俺なんだろ?だったら俺が相手するよ?」
その手を止める夏希。
ググッ
「イテテテテ!!!」
バッ!
「てんめぇ、調子乗ってんじゃねぇよ!!!」
またもや殴りかかる男子生徒。
ヒュッ!
(遅いなぁ…)
ピタッ
「なっ!?」
向かってくる拳を指一本で止める夏希。
「ふ〜〜…、す〜〜…覇ッ!」
本人としては気合いを入れただけなのだが、相手からしてみればまるで突風が巻き起こったような感覚に襲われる。その結果…
「ウオッ!?」
どん!
「はう!」
壁に叩き付けられる男子生徒。
「今度からは俺に直接言って来な。そしたらもう少し真面目に相手をするよ」
そう言って教室から出ていく夏希。
「かっこいい…」
「というより、すごい…」
「惚れちゃうかも〜♪」
「ていうかコイツ平気なのかしら……」
こんな調子でこの日は無事に(?)学校を終わらしてきた夏希であった。