【無題〜初めての気持ち〜】-1
3年2組今井美春、今、同じクラスに気になる男子がいます!!
・・・これは普通の中学生にとったら当たり前のことなんだろうけど・・私が今まで好きになった人はみんな年上の人。同じ歳の男子はガキくさくって。面白いけどもっとリードしてくれる人が好き。だった。
塚越大祐・・・あいつの名前。私の・・大好きな人。
テスト中、私の左腕の先にあいつの顔が見える。目が合うのは恥かしいから合わせないようにこそっりチラ見・・。あくびをしつつさりげなく・・後ろの席の子に話しかけつつ・・。変態みたいだけど同じ歳っていうのは初めてでどうすればいいか分からない。
授業中だと見れないあいつの横顔が好き。いつもは後姿ばっかりで。だから嫌なテストもすごく嬉しい。休み時間もついつい見てしまう。。
「ねぇーみひゃえるー!!」みひゃえるは私のあだ名。
「また江戸時代見てるのー??」江戸時代ってのはあいつの顔が江戸っぽいから。
「あー今井美春さん。今井美春ちゃま。聞いてまちゅかぁー?!」・・・？？
「あ!!ごめん。。」さっきから私をバカデカイ声で呼んでいたのは後ろの席の親友の大川未来。ちっこくて髪の毛染めてて生意気だけど面白くて優しい子♪
でも怒ると怖いので私は慌てて振り返る。
「むしろ最近見すぎじゃね?」
「そうかなぁ・・普通だよ!!うん、絶対そう♪」
「はぁー??かんじはげこーはげこー」
「いやいや!!勘違い激しくないし!!」
「はいはい。それより聞いて〜!!ゆー様がねー!!」
出たよ。みらいのみらいの話。でもあいつを見てるのも楽しいけど、未来の話を聞いてるのも嫌じゃない。あ、ゆー様は未来が大好きなアイドルで最近すごくヒートアップしてて・・この話だけで一生生きていけるぐらい話す。
「ま、ゆー様の話は置いといて。最近美春さぁーどうなん??」
「ぇ・・まぁ別に。」心の中(うぇーんこいつ突っ込んだ話すんなぁー。。)
「ってかさぁーいい加減告れ!!もう命令!!社長命令!!」
「ぇーいやいや!!まだ少ししか話してないし。早いでしょ。。」
「あー出た!!アニュアル女!!むしろ、美春がそんなんだからあいつに興味持ってもらえないんだょ。ほらーもっと自信持て!!黙ってれば可愛いし。」
「だよね・・せめて隣の席になったら・・」そう、隣の席になったらいっぱい話すのに・・。
「ぁー!!むしろ今日テスト終わったら席替えぢゃね??きゃっほいー♪」そう言うと未来は踊りだした。あぁ・・相変わらすのんきってかバカっていうか・・うらやましいな。。
「席替えかぁ・・」どうせまた離れた席なんだろうなと思いながら私は重いため息をついた。
「うぉぉーーーーーーーーーーー!!」
まるでゴリラのような雄たけびが教室に、下手したら学校全体に響く。声の主は。。もちろん(?)私。
今は掃除終わりの教室。なんだかんだで少し期待していた席替え。まぁこれがよくあることのように(お決まりパターンですな)!!なんとあいつの隣の席に!!二の川の一番後ろ!!もちろん前の席は未来で。しかも!!これであと3ヶ月は席替えをしないようで・・嬉しいような・・なんか気まずいような・・。
でもこれを逃したら終わりかもしれないし!!とりあえずアドだけども交換したい。。それでいっぱいメールしてんで・・。いろいろ考えているうちに時間は4時。そろそろ帰りの会が始まる。今日の司会は嬉しい事にあいつで。ついついいっぱい見ちゃうけど自然なことだししょうがないよね!!今まで好きになった人って年上 ばっかだったからこんな気持ちが嬉しくて思わずニヤけてしまう。好きな人が同じクラスってすごく幸せな事だな♪ほぼ毎日会えるし話したりできるし!!あぁー!!かなり楽しみ!!
そんなこんなでもうすぐ帰りの会が終わってしまう・・もっと見ていたいのに・・あ、でも隣の席だからいつでも見れるぢゃん!!やったね!!
「おい今井、お前頭大丈夫か??さっきからずっと笑ってたけど・・」
帰りの会が終わって司会のあいつが帰ってきた。
「ぇ??そんなに??」
「うんかなり。キモかったぞ・・」
「え・・ドン引き??」
「・・」
うそ・・初日でいきなり??もう終わった・・もう不登校になろう・・。泣きそう・・。。
「面白かった・・」
落ち込んでた私に小さい声で言った。
「ぇ??何なに??」私はなんだか嬉しくてわざと聞こえないふりをする。
「・・うるせ!!かーずまー帰ろー」
あいつって意外にテレてんのかな・・いつもはかっこつけて(まぁかっこいいし・・笑)るけど・・。今日も少ししか話せなかったけど私はすごく嬉しかった。あいつの隣になれたし話せたし・・照れてる顔も見れたし♪
ここから!!3ヶ月!!頑張ろう!!やったるで!!
そう思いながら私は空をも飛ぶ勢いで家に帰った。
明日も頑張ろう!!