仮面-4
「お、おいっ」
海人の焦り声が響く。
「何?」
一方の薫は冷ややかな眼で海人を見る。
「こんなトコ、誰かに見られたら……」
「誰も来やしないわ」
薫はそう言うと海人の手を引いてドアーを潜ると、いくつか有るトイレに入った。
薫は後手でドアーをロックすると、海人を見据えたまま近寄る。
海人の身体が壁に貼り付いた。
「うっ…ん…」
薫は海人の両手を壁に押し付け、脚を絡めて自らの恥丘を擦りつける。
「うん……」
お互いの唇が重なる。薫は貪るように唇を動かすが、初めての海人は彼女のなすがままになっていた。
唇が離れる。
薫は氷のような瞳を海人に向けて言った。
「後を向いて」
言われるまま後を向く海人。薫は腰に手を廻すと、ベルトを外してズボンを下げる。
「お、岡野」
「黙って!」
一喝する薫。海人は動けなくなった。
薫は海人のパンツに手を掛ける。その手を握り、抵抗する海人。
「海人……」
薫は甘い声を海人の耳元で呟いた。
「力を抜いて…」
海人は一瞬、戸惑いながらも、力を抜いた。薫の指が掛って下がっていく。
「あ…あ…」
露になった海人のモノはすでに熱を持ち、固くそそり立っていた。
薫の身体が後から密着する。背中に胸が当たる。甘い髪の香りと共に、吐息が海人の頬に掛かる。
後から海人の剛直を掴む。女性特有の柔らかい指の感触が、包み込む。
「ああ…止めろ…」
「ここをこんなにしといて何言ってんの」
剛直をシゴいていく薫。その眼は相変わらず嘲るように。
薫の手の動きが徐々に速まる。それに伴い、互いの息が荒くなっていく。
「…さっさとイッちゃいなさい…ホラッ…」
薫の手が亀頭に触れる。すでにそこからは先汁が滴っていた。