仮面-3
ー翌週ー
再び図書館を訪れた海人。教科書やノートを広げてはいるが、まったく頭に入っていない。
そればかりか、誰かが入って来る度にそちらを目で追ってしまう。
30分が経過した頃、扉が開く音がかすかに聞こえた。
海人は振り返る。岡野薫が遂に現れたのだ。
慌てて視線を逸らして向きなおる。顔が紅潮し、鼓動が速くなるのが分かる。
対して薫は、海人の狼狽ぶりを見て楽しんでいるような嘲る笑みを向けると、彼の頬に手を触れた。
(アッ!)
海人の身体がビクッと反応する。紅潮した頬はさらに赤みを増していく。薫の指先が撫でながら離れると、先日同様、対面に腰掛けた。
俯むいた顔をあげる海人。薫を見つめるその眼は虚ろで、先日までの苛立ちに満ちたそれでは無かった。
微笑みを向ける薫。だが、その眼は嘲るように海人を見つめる。
〈この前と同じ事を見せて〉と、誘ってるみたいに。
(ああ……岡野…)
薫の意のままに、海人は消しゴムを落とした。そして机の下に潜り込むと彼女の方を見た。
固く閉じられた脚が開いていく。真ん中をストライプの布が被っている。
海人の喉がつばを飲み込んだ。
その時、薫はパンティの縁を掴むと横に捲っていく。海人の前に薫の秘部が露になる。
ピンク色をしたそれは、わずかに開いて奥の花弁をのぞかせていた。
(あれが…岡野の……)
消しゴムは薫の足元に転がっていた。海人は跪くとゆっくりと奥へと進んでいく。
間近に薫の秘部が迫ってくる。酸味のある香りがわずかに鼻につく。
(はぁ…あ……)
息を殺しながら、さらに近寄る。恥毛が鼻に触れる。
海人は思い切り舌を伸ばして花弁をひとすくい舐めあげた。
一瞬、薫は身体をビクッと反応させ、脚を閉じた。海人の頬に薫の内ももが押しつけられる。
海人はもっと舐めたいという衝動を抑えると、消しゴムを持って席について薫を見た。
見た目は先ほどと変わらず俯いたままだが、その瞳は潤み頬は上気していた。
薫は荷物をまとめると席を立った。そして、すれ違いざま、再び海人に声を掛けた。
「来て……」
言われるままに海人は後をついて行く。
廊下を渡り階段を登ると、そこは資料室のような場所だった。
薫は、その手前にある女子トイレの入口ドアーに手を掛けた。