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Authorization Lover
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Authorization Lover-VOLUME3--4

「素直になりや。僕が欲しくてたまらへんやろ?」



何で

「僕が欲しいんやろ」

いつも

「忘れられないくせに。」


私を惑わすのよ、ギン。

雛菊は一度体の力を抜き、次の瞬間思いきり肘で銀の鳩尾を殴った。

思いもよらぬ反撃に銀の口から、くぐもった声が洩れる。

「っ〜!」

雛菊は銀の腕を乱暴に振り払って立ち上がった。
下着を上に引き上げて服装を正す。

「雛菊…」

「私の名前を軽々しく呼ばないで。」

雛菊は吐き捨てるように荒々しく言った。銀はその態度に面食らいながらも苦笑いしながら続けた。

「呼ぶなゆうたって…幼馴染みやろ?僕ら。」

「昔の事よ。…アンタは変わったわ。」

苦々しく顔を歪めて雛菊は言った。

「は?っていうか僕ら付き合おてるんやないの?」

雛菊は銀を冷たく睨んで冷えきった声で言った。

「あんな事があって…よく付き合ってるなんて言えるわね。」

銀の動きが一端止まった。唇は震えていた。

「な、雛菊…なん…の事なんや?」

雛菊はギンを一瞥してから、資料を脇に抱えて部屋から出て行った。
部屋には顔を青くしながら唇に手を当てている銀だけが残されていた。



時計は五時を回っている。

「雛菊さん帰ってこないですね。」

優希は書類をまとめて帰り支度をしている。七緒は苦笑いして言った。

「まぁ…いいわよ。今やっと前の企画終わったばかりだし。…少しぐらい休息は必要でしょ。」

最後の言葉は消え入りそうな声だった。

「じゃあ今日は解散ね!」

七緒は手を叩いた。修平はすっと立ち上がった。

「俺ちょっと残ります。」

「また?残業は48時間以内にしてよ。」

七緒は顔をしかめる。修平はニカッと笑って桃子を指さした。指された桃子はギョッとした顔をしている

「コイツに引き継ぎの仕事教えないと。」

「あら、初日に教えたわよ。」

「いえ、まだ違うプロジェクトの始末終わってなかったんで。」

七緒は納得したような顔で頷き、他の社員に対して帰りを促した。


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