むらさきの花。-6
私と彼は大学を卒業し、お互い就職して、結婚をした。
彼女はあの後またすぐに海外に飛び、
大学内で彼女に会うことはなかった。
昔のように四人で、あの場所にいることは二度となかったけれど。
私は今、懺悔する。
後悔は、していない。
でも、もし変えられるのなら、またやり直したいと思う。
今度こそ、言いたい。
「辛い思いをさせて、ごめん。」
「どうか、幸せになってください。」
「誰よりも、幸せになってください。」
この言葉はもう彼女に届かないけれど。
ただただ、幸せを願う。
彼女の好きだった、紫色の花。
大きな大きな花束にして、海に流そう。
その中の一輪だけでも、彼女に届けばいい。
この地球上のどこかにいる、
私の親友。
終