むらさきの花。-4
ある日、私は意を決して彼女に告白した。
彼を、好きになってしまったこと。
彼女は、「そっか」とだけ言って、笑っていた。
どんなにか辛かっただろうな。
私がどれだけ残酷なことをしたのか、自分でわかっているつもりでも、
きっと、計り知れない。
彼女は私の前では決して、泣かなかったから。
私にはそれが、辛かった。
「あなたにはもう、涙は見せない」って、言われてる気がした。
裏切ったのは、私。
裏切られたのは、彼女。
だけど。
天秤にはかけられなかった。
彼と、彼女を。
どちらかを選ぶなんて出来なかった。
欲張りなのは、わかってる。
でも。
・・・・・私は卑怯だ。