むらさきの花。-3
本当はね?
少し前から、気付いていたんだ。
彼の気持ちに。
そして、私の、気持ちに。
でも、気付いちゃいけないと思った。
今思えば本能的に、そう思っていた。
だって私がそれに気付いてしまったら、私は彼女を失うことになる。
大切な彼女を。
でもね、私の中では、すでに変わり始めていたの。
私の好きな人は、彼女の好きな人。
私を信頼して、頼ってくれる。
朝まで語り明かしたことだってあった。
彼女がどんなことに悩んで、どんなことに努力して、
どんなことを思い、どんなことで傷付いたか、
わかっていたのは私しかいなかったのに。