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食虫花
【痴漢/痴女 官能小説】

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食虫花-2

ハッとして目を覚ました悟。慌てて外の風景を見つめてホッとした。まだ随分手前だったのだ。

(エッ!)

感触に思わずとなりを見つめた。
悟の右手は、となりに座る女性のスカートの中に潜り込んでいたのだ。

(え、えええっ!?)

女はいつの間にか悟にくっつくように座ると、彼の手を掴んでスカートの中に導き入れ、そしらぬ素振りで携帯を眺めていた。

悟の掌は女の内ももに触れていた。
あまりの衝撃に汗ばんでいく悟に対し、女は平静を装っている。
悟の掌が徐々に内ももから付け根へと導かれる。柔らかさと湿り気を帯た感触。
初めて触れた異性の身体だが、悟は未だ状況が把握出来ずに焦っていた。

困惑した表情で、女を見つめる悟。
女は、携帯のディスプレイを悟の方に向ける。示された文字に驚いた。

《好きにして》

そう書かれていたのだ。

女は掴んでいた悟の右手から自分の手を離す。

(ど、どうしよう)

なおも戸惑う悟に対して、女は一瞬、微笑みを投げ掛けた。
この瞬間、悟の〈男〉が頭をもたげた。

開いた掌が、複雑なカタチを形成して女のパンティの上を這っていく。
だが、悲しいかな女性を知らない悟は、どう動いていいか分からないでいた。

すると、女は再び悟の手を掴んむと、自らのパンティの中へ入れて秘部へと導いた。
指に熱いほどの体温とぬめりが感じられる。経験の無い悟でも、それが何を意味しているのか知識はあった。

悟は遠慮がちに秘部を開くと、溝に這わせるように中指を動かす。ぬめりは益々指に絡みつく。

悟は女に視線を向ける。
女は携帯を見つめているが、時折見せる切ない表情や唇を噛んで、悦びに耐えているようだった。

女は震える指で携帯を打つと、再びディスプレイを悟に見せる。

《次で降りるわ》

女は降者ボタンを押すと、席を立った。そして、悟の腕を掴むと次の停留所で一緒に降りてしまった。

バスは2人を残して去った。
悟と女は漆黒の闇にまぎれるその姿を無言で見つめていた。

「こっちよ……」

女は悟の手を引いて、わずかな外灯しかない中を歩いていく。
路地を縫うように歩いて行くと、ビルとビルのすき間にたどり着く。死角のような場所で2人は向き合った。

女の顔が悟に近づく。
憂いを帯た瞳が大きく見える。
悟は、後ずさりするがビルの壁に邪魔されて、これ以上下がれない。

女の吐息が掛かる。妖しく光る紅い唇が迫ってくる。
悟は思わず目を閉じた。女の唇が重なった。


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