冷たい情愛7 side 芳-2
「シャワー浴びたらどうですか?」
俺は彼女に言った。
「はい」
彼女は静かに答えた。
昨日の夜も…今も…彼女は俺の言葉に静かに従う。
俺は、彼女の鳴く声が聞きたくなった。
苦しい顔で…快楽に酔いしれる彼女の声を…。
俺は浴室にゆっくりと歩いていった。
シャワーの音…彼女の裸体が…ぼんやりと形になる。
俺はシャワーの明かりを消した。貴方は…俺じゃなくても良いのだから…。
見えないほうがいい…
貴方も俺も…本当の何かを見ないまま…気持ちよくなれればいいんだから…。
「一緒に入ってもいいですか?」俺は外から尋ねた。
「あ…はいっ」彼女は少し驚いたようだった。
彼女は恥ずかしそうに立っている。
細く…一見中性的なその裸体は…実は女の匂いを充満させている。
壊したいほどの強い衝動を感じているのに、それと同時に優しく触れたくなる。
俺は彼女に許しを請い、その裸体を洗い始めた。
シャワーで湯をかける間、彼女はだまって少し下を向き立っていた。
仕事で見せる顔とは全く違う…恥ずかしそうに小さく見える姿。
手にソープを取り、彼女の浮き出た鎖骨の下を撫でた。
彼女の肩は…細く小さかった。少しでも強く触れば壊れてしまいそうな体。
彼女の胸の膨らみを撫でる。
親指の腹でその突起部分を弾いてみる。
彼女は顔をしかめる…恥ずかしそうにする可愛い顔。
「あっ…」
俺の指の動きに合わせ、彼女は甘美な声を漏らす。
俺は、決して逆らわず従順にされるがままの彼女に…執拗なほどの胸への愛撫を続けた。
彼女は、手足を微かに震わせる。
「あ…ああ…遠藤さ…」甘い声で俺の名前を呼ぶ。
彼女は俺の目を見る。うつろな目…
大切だと思ってしまった。そんな俺は彼女の裸体を無心で撫で続ける。
性的な行為を超えて、ただただ愛おしかった。
彼女の甘美な声は…俺の体を興奮へ導くのに…。