Authorization Lover-VOLUME1--5
「それにしても守川さんて凄い知り合いがいっぱいいるんですね〜」
優希が感心するように言った。
「知り合いがいるだけですけどね。」
桃子は肩をすくめた。その肩を捕まえて雛菊が揺する。
「何言ってんの〜!期待のルーキーなんでしょ?弱気は駄目よ〜」
「期待してます」
七緒も微笑んだ。桃子は思わず、お茶を吹き出した。七緒に詰め寄る。
「どっ、どんな噂あったんですかぁ?ルーキーって…」
「あら、知らなかったの?京本専務が有能なコが入ったから企画に回すよ〜って仰ってたから。」
「私も花田玲人事部長に聞きましたよ。優秀な才女って言ってました。」
七緒と優希はニコニコして答えた。
「は…はぁ?何でそんな事に…」
桃子は呟いて顔を机にうつ伏せた。雛菊は桃子の背中をバンバン叩いた。
「まぁ、噂には尾ひれが付くっていうしね〜」
「それフォローしてるつもりなの?」
七緒は呆れて雛菊を見た。
「尾ひれ処か、胸ひれ背びれ付いてますよ…」
桃子は力なくうなだれた。
急に食堂が騒がしくなった。桃子が顔を上げる。
「ど、どうしたんですか?」