Authorization Lover-VOLUME1--3
「染岸さんは私の高校生だった時の家庭教師の方なんです。」
「へぇ!それから付き合ってんの?犯罪じゃあ…」
「こら、雛菊。」
七緒がたしなめる。
「つ、っ付き合ってなんかいません!」
桃子は顔を真っ赤にして顔を思いっきり振った。
「じゃあ片想い?」
「雛菊」
七緒は雛菊の頬を引っ張った。
「いひゃい〜」
「話はちったぁ聞きなさい。」
「…いえ。ただ憧れてるだけです。」
また雛菊が何か言おうとしたが、七緒が睨んだので黙った。
「じゃあなんで金原商事に入らなかったんですか?」
桃子の顔がさっと暗くなる。
「それは…色々あって」
「も〜う。皆!せっかく守川さんの歓迎会なのにそんなに詮索しないの!」
七緒はこれでおしまい、と言った。
雛菊は微笑んで桃子を見た。
「女だらけの企画部に改めてようこそ。仕事は男と変わんないから覚悟しなさいよ〜?」
「はっはい!」
笑顔で桃子の返事は迎えられた。