Authorization Lover-Prologue--1
Authorization Lover
Prologue
(ああ嬉しい。これで胸張って社会人って言えるんだわ!)
杉本雛菊は大手を振って歩いていた。
雛菊は有名大学卒業予定の22歳。
この度やっと就職先が決まったのだ。
長引く不況のせいで有名大学出だと言っても雛菊の希望通りの就職先を見つけるのは難しかった。
雛菊の希望先は榊商事である。
業界では中堅というところか。
雛菊はどうしても榊商事に入社したかったのだ。
──と言っても就職出来なかったら本末転倒なのでもし榊商事が駄目だったら諦めただろうが。
とりあえず受かったらこっちのモンよね。
雛菊は満面の笑みを見せていた。
榊商事を振り返ってビルに向かって指で銃を撃つ真似をする。
覚悟しててね、銀。
今度は私が追いかけるから。
第一話に続く