冷たい情愛6 俯いた横顔-7
「遠藤さんも、ぬいぐるみなんて持ってるんですね」
「これ一つしか持っていませんが…大切な人に貰ったものです」
胸がズキっとした。痛い。
遠藤さんが言う大切な人…恋人だろうか…。
いて当然だ。彼は仕事上では冷静で距離を置いた感じがするが…
これだけ綺麗な顔立ちで頭も切れる…女に好かれないはずがない。
「遠藤さんに大切だって言われるなんて、その人は素敵な女性なんでしょうね」
心の中を読まれまいと、必死に言葉を発した私だった。
彼の顔が見れない。ズキズキと胸が痛い。
彼の大切な人…
こんなにいつも冷静な彼は、どんな女性に情熱を注いでいるのだろう…
どんな女性を大切に想っているのだろう…
だから私を全裸にしたのに…
私を抱いてくれなかったのだろうか…
私は…
彼の事が…好きなのだ…
もう、その心を否定することは出来なくなっていた。